研究
Introduction 黄砂=東アジア大陸内部からの風送ダスト 黄砂飛来頻度は2000年以降高い傾向にあり、飛来地域が拡大 多くの場合、黄砂は温帯低気圧や寒冷前線に伴った嵐によって発生 2008年5月モンゴル東部で雪を伴う砂塵嵐で観測史上最大規模の人畜への被害 …
昨日のエントリに対するジェットマン師のコメントにお答えして、俺の現在の立場について。「温暖化問題/対策」という政治的側面については、学者業界でのコンセンサスが得られていない、IPCCはウソばっかりという全否定の立場ではあるが、「(非)温暖化の…
「vs温暖化脅威派」ではない。 Climate-gateあるいはIPCC-gate以降、「IPCC第4次報告書の主張する人為的CO2温暖化脅威説」に関して、次々に「科学的でない手続き」の寄与が明るみになった。例えば、温暖化の主張の一番の基盤となるべき過去の気温データに捏…
層積雲stratocumulus (Sc)の概略 大気境界層内に発生する下層雲の一種で、個々の積雲セルが水平に連なり全体として層状の雲システムを構成 雲を構成するセル1つ1つは1kmに満たない一方、その全体の水平スケールは1,000kmに及ぶことも珍しくない。 日傘…
科学コミュニケーション業界において、科学情報の「受け手」のモデルとして、2つが提唱された。 1つは誰でも思いつく、「知ってる人(学者)が知らない人(一般市民)へ知識を注入する」というモデル。このモデルは、情報の「受け手」である一般市民には(…
肝心のところ ボーリング調査で地面に空けた穴(borehole)の中の温度を測ることで、過去の気温を推定した 地球深部から地上への熱の流れだけでなく、地上の大気からの地中への熱拡散があるから、地中温度は過去の気温を反映している、というロジック。←ホン…
近いところにある、我々の太陽系の外のハビタブルプラネットを探す。これは、2010年8月13日にリリースされた the U.S. decadal survey of astronomy and astrophysics for 2012-2021(※オレ訳だと「アメリカの天文・宇宙物理学10年計画・2012-2021版」)に…
シンポジウムは気候変動研究へのアプローチの再考を一層迫るものだった。参加者は、解決策がしばしば査読済みの科学的発見に十分に注意を払うことなく学界の外で作られたことを認識した。同様に、学界内で作られた解決策は、世間知らずのため社会的な諸般の…
科学コミュニケーションについて勉強中。最近では、異文化コミュニケーションの観点から、こんな風に言われているらしい。 日常生活では、みんなそれぞれに、それぞれの文脈に合った形で(=理屈ではなく経験として)「それぞれの科学」を持っている。日常生…
学際的研究のリスクは様々で、伝統的でない学位論文のトピックを追い求めることから、主たる研究領域の外で出版することまで、一人の学者のキャリアの中で複数の段階で発生する。多くのinstitutionalなチャレンジに要求されるのは、創造的な問題解決型アプロ…
正確には大阪府の定める研修を終えた、ということなので、気分的には「資格取得」というより「研修修了」なんだけど、修了しなきゃやっちゃダメなので一応「資格」と言っておく。 単純に説明すると、車椅子の人や視覚障害の人を「外にお連れする」ことができ…
DISCCRS: Dissertations Initiative for the Advancement of Climate Change Research; Mesa, Arizona, 13–20 March 2010気候変動研究の発展へ向けた学位論文イニシャティブ(DISCCRS; http://disccrs.org)は毎年、研究仲間のネットワーク作りや専門性を高め…
明日の晩、面白そうなイベントがあるよ! http://bit.ly/9Kkjjd
Legrasは、ブロゴスフィアに書かれているものに接して、科学リテラシーの不足が拡大していることに憂慮せざるを得なかったという。「科学は、ほとんどイデオロギーと政治に関する問題を扱う時の言い訳にしか使われていない。気候科学をパンチングボールのよ…
気候科学に関するコミュニケーションが欠如していることに関連する要因がもう1つあって、それは、リスクを判断するのに使う詳細で信頼性のある明確な情報が提供できないことだ、とBerkhoutは断じた。彼は、科学が、降水量や他の変動についての予測を、意思…
科学コミュニケーションの質を高める必要性に関して、イギリス・レディング大学の数学・気象学・物理学分校(?)のMike Lockwood校長は、問題点の1つは、一般大衆にとってグローバルなトレンドを理解するのは難しいということだ、と述べた。曰く、「人々は気…
Blöschlはさらに、CO2にばかり注目が集まり過ぎていること、また、他の数多くの変化がCO2の変動といっしょに(※オレ注:CO2が「他の変動に先立って」変動しているのではない=結果に先立つ「原因」ではない、の意)、もしくはCO2と関係なく起こっていること…
オーストリアのウィーン工科大学・Hydraulic and Water Resources Engineering研究所・水文学&水資源マネジメント学科長のGünter Blöschlは、何を変数として用いるかによって気候変動を予測する能力に「むちゃくちゃ大きな差異」が出ることを指摘した。例と…
オランダ・アムステルダムのVrije大学の環境科学研究所所長のFrans Berkhoutは、IPCCレポートは、気候変動に対する人類による強制力(anthropogenic forcing)の役割についてだんだんとより堅固な(firmer)表現を用いるようになってきた、と述べた。彼が言…
パリの何とか大学の気象力学研究所(?)の研究部長(?)のBernard Legrasは、IPCCレポートはいくつかの領域でuncertaintyを示していて、それが人口集中が起こっている領域のいくつかでの降雨へ影響があるとしていることに現れている、なんてことも含まれると述べ…
パネリスト達はIntergovernmental Panel on Climate Change (IPCC) が最近出した第4次アセスメント・レポートを大筋で肯定している。しかしながら、同様に、地球システムと社会学的な要因、モデルの質、気候へのregionalな影響とlocalな影響の理解に伴って…
アメリカ地球物理学連合(American Geophysical Union)の機関誌EOSの8 June 2010号に、ヨーロッパ地球科学連合(European Geosciences Union)での気候変動についての公開討論会の模様のレポ(潜入レポ?)があったので、1日1段落のペースで和訳(という…
ホメオパシーは「荒唐無稽」 学術会議が全面否定談話(asahi.com) 代替療法「ホメオパシー」の根拠否定 学術会議が会長談話(日本経済新聞電子版) ホメオパシー療法:「科学的根拠なし」学術会議会長(毎日.jp) ホメオパシー認められぬ、学術会議が会長談話…
田中, 気象予報とカオス, REAJ, 2006, Vol.281, No.7 (通巻155号)の第4節に、小倉「一般気象学」の最終章にも載っている「電卓でカオス実験」の式の話がある。 学生に、以下の漸化式を電卓で数ステップ計算させるのである。 Vn+1=(21/8)Vn - (28/8)Vn3 この…
規模の経済とは、事業規模が拡大するにつれて購買力が向上したり、製品当りの固定費負担が減少したりすることによって平均単価・平均費用が減少する結果、利益率が高まる傾向のこと。 http://www.exbuzzwords.com/static/keyword_11.html 単に規模のでかさで…
「地球大紀行」の第6集「巨木の森・大地を覆う」で、「世界最高の木」(※値段ではない)が紹介される。100mを超えているらしい。 よく考えると、水をてっぺんの梢まで引っ張り上げるのは、かなり大変だ。どんなポンプを使っても、普通に吸い上げる限り、水は…
知人である超有名弁護士おのんのん氏のTwitterより。 反対尋問にうまく耐えるコツは、決して怒ったりしないこと。無理して答えようとしないこと。答える前に一呼吸おくこと。これに尽きるな。 俺流プレゼン論 and/or 科学コミュニケーション論の材料にさせて…
「はやぶさ」は、地球に帰って来れて、本当に良かった。それはその通りだが、「はやぶさ」ミッション自体は、「失敗」であることを忘れてはいけない。 はやぶさTwitterが超絶に面白かっただけに影響が大きかったのだろうが、「はやぶさ」を擬人化して語る人…
こないだの水曜の晩、遅くなったので一杯ひっかけにいつもの焼き鳥屋に入った。いつものように酒を飲んでいると、大将からお題が。 『宇宙の大きさが全くわからん。東京ドーム何個分なのか』 さぁ困った(笑)暗算では難しいのでボールペンを取り出し、マジ…
先日撮ってきたH-IIAロケット17号機打上げの様子。持ち帰ったHDDからきちんとデータを吸い出せたそうで、これでようやく「撮影」が成功裏に終わったことになる。撮れたつもりでもデータが壊れていたら何にもならないからだ。 で、Y女史が3mドームで試写をし…