1変数の非線形漸化式に見るフラクタル構造?(電卓でカオス)

田中, 気象予報とカオス, REAJ, 2006, Vol.281, No.7 (通巻155号)の第4節に、小倉「一般気象学」の最終章にも載っている「電卓でカオス実験」の式の話がある。
学生に、以下の漸化式を電卓で数ステップ計算させるのである。
Vn+1=(21/8)Vn - (28/8)Vn3
この漸化式の非線形性に伴って、(^^;ステキ、じゃなくてカオス的性質が現れる。*1ほんの微小な計算誤差が発生することで、解の挙動が全く変わってしまうという話なのだが、その理由の説明として、(それまでの節で説明済みの)解軌道のフラクタル構造を持ち出してくる。ところがその文章がよくわからないのである。誰か教えて欲しい。

その理由の説明として,次のステップで値が正になるときのVの値には赤,負となるときには黒と色づけすると,-1から+1の間には赤と黒が複雑に入り乱れた特徴的な模様が見られる.その一部を拡大すると自己相似的な同じ形をした小さな模様が見え,それを拡大してみると,前と全く同じ模様が親子関係のように出現してくる.つまりフラクタル構造になっているのである.

Excelで、Vnを-1から+1まで、0.0001刻みで変化させてVn+1を計算させてみたら、Vn+1>0になるVnとそうでないVnが微妙にあるパターンを持って並ぶのかなー、と思って実際にやってみても、そうは見えないんだよなぁ。そういう意味じゃないのかな。

*1:ちなみにこの式は、すぐに無限大にぶっ飛んで行くことなく、-1から+1までの間を不規則に行ったり来たりするよう、絶妙にチューニングされている。