毎月新ネタマジックを2年間、の記録

この2年間、東京におよそ月に1度のペースで行く仕事があり、その度に開かれる宴会で、「同じ演目を2回やらない」「毎回(見てくれるみなさんにとって)新しいネタ」という企画で、手品を一つ演じていた。

勢いで言い出したものの、これが時間が無い中ではなかなかの難事業だった。おかげでマジシャンとしてのレベルは一つ上がったように思える。自画自賛。そこで、この2年間の演目一覧を記録のため(というか「記念」としt)残しておく。

  1. 口からトランプ
  2. ポケットリング
  3. Mental Photography Deck (Joe Berg)
  4. リング・オン・ウォンド
  5. Card At Any Number (Jimmy Grippo)
  6. Sun and Moon (Albert Goshman)
  7. Cardwarp (Roy Walton)
  8. Ambitious Card (Dai Vernon)の僕手順
  9. ゆうきとも師の宝くじのビルチェンジ
  10. Professor's Nightmare (Hen Fetch and Bob Carver)
  11. 大宴会スペシャルその1
    1. Color Changing CD (いわゆるシルクセレナーデのCD版で、シルクを使わないでパケットトリックみたいに演じるもので、原案はトリックス八重洲の人らしい)
    2. カードの読心術(『奇術入門 メンタル・マジック』収録の、サイステビンスのやつ)
  12. Homing Card (Francis Carlyle) + 51 cards to the pocket (Philippe Socrate/David Williamson)
  13. Invisible Deck (デック立てたままでやるやつ)
  14. Pocket Technicolor Prediction (Martin Lewis)
  15. Flying Colors (Rajan) ←ポーカーチップでやる3Fly
  16. Mirage Deck (ふじいあきら師がTVでやってた手順で、僕がストーリーだけを変えたもの)
  17. しあわせの書 (泡坂妻夫)
  18. Scotch and Soda
  19. カメレオンシルクのカズ・カタヤマ師のやつ
  20. Out of sight, out of mind (Dai Vernon)
  21. Acrobatic Knot (Daryl)
  22. Reformation (Guy Hollingworth)
  23. 大宴会スペシャルその2
    1. 白紙のメモが一万円札(っぽいもの)になるビルチェンジ
    2. Disney Magic Book
    3. 新幹線 (Phil Goldstein)
    4. Jumbo McCombical Deck (Billy McCombe)
    5. 僕のラージ・リングの手順

こうして並べてみて、振り返るに、我ながらいい作品をやってきたなぁ、我ながらなかなかいい選球眼だったなぁ、という気がする。自画自賛

準備はしたものの、バックアップとして用意していただけで出していない作品もいくつかある。テンヨーの「超スプーン曲げ」とか、Odd Ball 2 (Marc Oberon)とか、いわゆるメンタル・ロック(Eko!氏の「0120」)とか、Charming Chinese Challange (Troy Hooser)とか。いわゆるチャイニーズ・ステッキもやりたかったけど、「僕でも伝えられるオチ」が作れなくて断念した。また、リンキング・シガレット(安田邦夫/ふじいあきら)やテンヨーのサイキックペンなんかも扱い切れなかった。他にも、スポンジものが全くできなかったのも残念だった点。

この連続企画(?)を始めるまでは、机の上に敷いたクロースアップマットがステージ、みたいなほんまのクロースアップの間合いの作品ばっかりやってきたけれど、宴会芸…「サロン・マジック」ぐらい?…の間合いで見せる作品をたくさん覚えられたのが、ものすごく大きな収穫だった。

他にも続けてみて一つ実感したのは、よく、「手先の技の印象が立つ作品とメンタルマジックは相性が悪い、同居しにくい」という話が言われるんだけど、そうでもないんじゃないかな? ということ。もちろんフラリッシュをバッキバキにやるのは別だけど、やっぱり、演者のキャラに統一感があれば、同じように同じトーンで同じタッチで扱えるんじゃないのかなぁ、と思った。僕の中ではシームレスに演じられたし、ふじいあきら師やゆうきとも師、あるいはとひ師を始め、実際の演技を見せていただいた印象からも、そのように思っていたことでもある。やりたいことをやりたいようにやれば良い、ただし、やりたいことはどんなことなのかを自覚しなくちゃね、ということなのだろう。

しかし、逆に言うとこの2年間は「そういう間合いの作品しかやってない」状態だったので、そろそろ、どクロースアップの作品を覚えたくなってきた。バカだねぇ(笑)