柏崎刈羽原発の地震被害・事故について

少なくともこのへっぽこブログを読んで下さる方々だけは、バカ報道に踊らされないように‥‥と念じて駄文を連ねることにする。賢明なる読者諸兄姉には当然かもしれないので、時間の無駄をなさいませんよう。

放射線障害防止法では、事故/危険時にしなければならないことを以下のように定めている。

事故届

放射性同位元素の盗難、行方不明、その他の事故が発生した場合には、使用者は遅滞無く、警察官または海上保安官に届け出なければならない。(32条

危険時の措置

地震、火災などの災害の発生によって、放射線障害が発生し、また発生するおそれのある危険な事態に至った場合には、使用者は放射線施設から取扱者を退避・避難させ、放射性同位元素による汚染が生じた場合には、汚染の除去、汚染の広がりの防止などの措置(危険時の措置)を講じなければならない。(33条)

その他に「報告の徴収」として39条にはいろいろな項目について報告することが定められている。

また、原発は当然、原子力基本法の下にあるわけで、上記の放射線障害防止法以外にも基本法の規定がさまざまあり、さらには各種の政令や省令などなど様々な規定の下に運用されているのである。かなり厳しい状況下で設置・運用されているのである。そして事故・危険時の措置についても、厳しく定められている。で、その一部が上記の引用な訳だが、つまるところ、全て汚染が「どこにどのくらいあるか」という情報が基礎になっている事は明らかであろう。つまり、「何かあったら、まず放射能を測定する」のが(物体的安全確保の次に)第一にすべきことなのである。「壊れたから放射能が出る」というのはあまりに短絡的過ぎる、というか、はっきり言ってしまえばバカである。

だいたい、放射性廃棄物のうち、液体のものや気体のものは、十分に希釈し、基準をクリアすれば排水/排気して、廃棄するのである。「海に流れたから危ない」なんていうのはお門違いであり、「海にどのくらいの濃度で漏洩したのか」に依るのである。

そもそも、放射線なんてのは天然に存在するのである。俺たちは原発が無くたってずっと被ばくしているのである。その天然にある放射線に対して、今回の汚染がどのくらいなのか、例えば胸部X線診断のときに浴びる放射線量と比べてどうなのか、CTと比べてどうなのか、などといった量的判断がなされるべきなのである。

そういったことが分からないやつが科学部の記者をやってはいけないのである。というか居ないのだろう‥‥今回の原発事故について、放射線量あるいは放射能の強さについての報告がなされた報道があっただろうか?上で言ったように、耐震措置がどうのこうのとか言ってる場合ではないのである。ましてや「放射能を含む水が」などというような表現に違和感を感じない人間が科学的表現を用いる記事を作成してはいけないのである(もちろん正しくは「放射性同位元素を含む水/放射能を持つ(可能性のある)水」であり、一般向けに妥協すれば「放射性物質を含む水」ぐらいがセーフか?)。「放射線」と「放射能」の違いのわからないやつに被曝の危険性を云々する資格は無い。

放射能(あるいは放射線量率)についての測定結果によっては、それこそ全部ほったらかして即時避難しないといけないのかもしれないし、あるいはマスメディアでわけ知り顔をしてたやつは誰だよwwwwっていうことになるかもしれないのだ。もう一度言うが、汚染状況の測定なしに、放射性同位元素による汚染の危険性、もっと言えば放射線被曝の危険性を云々する事はできないのである。

こんな時こそ、「ジャーナリズム」とやらが「正義」を見せて、放射線放射能に関する汚染状況の量的報告が一般に正しく広められていないこと(ひょっとして測定すらしていないのか?)を糾弾するべきところなのだ。あのバカどもがいたずらに「おバカさん向け扇情的情報」「誰かを吊るし上げとけば新聞売れるよね/視聴率上がるよね的情報」ばっかり「捏造」しないで、ちゃんとした仕事やってれば、セリエAも「放射能コワイ」って親善試合すっぽかしたりしなかっただろう。