『お申し出ください』問題
『おつかれさま/ごくろうさま』問題の時ほどちゃんと書く気力がないので簡潔に問題と結論を。
問題
「申す」は謙譲語である。これは明らかである。これが構成要素になっている「申し出る」という動詞を(敬うべき)相手の動作に対して用いるのはおかしいのではないか。自分が申し出るなら良いが。
結論
- まず、「申し出る」を「申す」を基準にしてこれを謙譲語と見なし、「お申し出ください」は誤りで「お申し付けください」「おっしゃってください」が正しい、とするのは、そのように新人教育を施す企業もあるようだが、少なくとも現代においては少数派のようである。
- 敬語表現と関連づけられた記述のない辞書が複数あることが確認できた。
- 古語「まうしいづ」だと謙譲語であるが、現代においては、そもそもの語意に変化が生じており、なおかつ少なくとも複合語構成要素としての「申す」には丁寧語としての機能が(少なくとも事実上)認められている(そうでなければ「申し込む」なども謙譲語になってしまう)。
- 本件についてはこれが適用され、一般的な丁寧語として「申し出る」は位置づけられているようである。
でもやっぱり、オレ的には、「何かございましたらお申し出ください」は気持ち悪い。「申す」は謙譲語だ!と叩き込まれた弊害か?オレやっぱりアタマ固いのかなぁ。