『All Back』 By Dai Vernon

手品の解説書に載っているネタは、やはり自分の手でやってみないと、良さがわからない。もちろん、誰かに見せてもらうのがもっといいのだが。

この土日は比較的ゆっくりできたので、『カードマジック事典』のいろいろを実際にやってみた。『Knock Out Card』なかなか面白い。

そんな中、パカッと開けたページにこの『All Back』を発見。そういえば、中学の時に覚えて演じてたなぁ、と思いつつ読んでみる。すっかり全くきれいさっぱり忘れてた(笑)。で、まるで初めて出会ったネタのように、デックを手にして一所懸命に解読。

コレ面白いよ教授!!

『アンビシャスカード』的な路線の『バーノン・タッチ』というのか、しれっと現象を確認する動作の中に、観客の疑念を払拭する操作が入っている。特にヒンズーシャッフルしながら、ひっくり返して1枚をランしてしまうところが気に入った!!処理と現象呈示と改めを一つの動作で済ませてしまうのだ。

うまいパターを考えて、実戦投入してみたいものだ。今のところ、例えばタイガーブラックデックとか、そういう『変わったデザインのトランプ』でのルーティーンの導入に使えるような気がする。バックのデザインを見せ、表はこうなってるんですよ、と見せようと思ったら表が消えてる、みたいな。この場合、一番のネックは、バック・フェイス両面の『ふち』の色が同一でないと困るということだ。おもちゃトランプでよくある『ふちなしバック』だと、あんなことやこんなことになってるのが一目瞭然だから。そういう都合のいいトランプがあれば、いいなぁ。

‥‥ってことで、現在、その続きに相応しいネタを選考&考え中。

火星で風力発電!?

担当している地学実験の、レポートが届く。ふむふむ。この実験では、ダストストームの動きを追跡することで現地の風速(のベクトル)を算出させるのが一つの目標だ。だが、一番の目的は『火星についてちょこっとぐらい蘊蓄を垂れられるぐらいにはなってほしい』なので、別に上記の風速算出でなくても、何でもいいから何か火星についてやってみろ、というスタンスである。そこで今回の彼のレポートを読むと、曰く、『‥‥僕は“火星の風”を知りたい、いや、感じたいのだ。』‥‥ほほぅ。

求めた風速は、‥‥初日8m/s、2日目1.7m/s、3日目5.5m/sだとか。ま、そんなもんだろう。平均値として、彼は5.087m/sを出した。有効数字はそこまでないだろうが、まぁここではそんなに細かいことは言わない。
しかし、ここからが彼の真骨頂であった。
彼は風力発電の効率(約60%)と、火星大気の密度(1.2e-2 [kg・m^-3])とを仮定し、そこから火星での風のパワーを算出する。風車の半径を、地球で実用化されている最大級のものとしてドイツの61.5mのものをサンプルに挙げていた。すると、期待される火星での風のパワーは、彼の計算によると、約93kwになる。そうすると、1年間での値にすると、50万kwhになる、のだそうだ。これは、彼によると、約400人分の電力需要に相当するのだそうだ。つまり1台これを設置すれば約400人が生活できる(少なくとも電気には困らない)、と結論づけている。

すばらしいレポートである。

もちろん彼が続けて『残る問題はhow to build itである』と言っている通りなのだが、しかしまた彼がその後に続けている〆の文句ががカッコイイ。

『長い戦いになりそうだが、決して未来は暗くはない。』