久々の手品(条件:カード無し)

実は、‥‥と言うほどには驚くに値しないかもしれないけれど、(昨年度からだったかな?)学生達の手品サークルの顧問を担当しているのである。とは言うものの、完全に名ばかりだったのだが、今日、初めて、大学祭の現場を見に行った。いわゆる普通の教室なんだけど、椅子と机をがさーっと脇へ寄せて広くして、大きなテーブルを放射状に囲むように椅子を並べ、クロースアップショーを交替に行いつつ、お客様も適当に出入りしつつ、という場の設定であった。大手の大学の大手の奇術研ではない、原始地球における生命誕生環境を思わせるごった煮な感じであった。

現役トップ2?と思しき二人は安定の演技。若手ながらステージマジックメインの学生サークルに在籍したことがあるらしい人も(ドヤ顔を抑えきれないながらも)なかなかの演技。シカゴオープナーの良さをしみじみ味わいつつ。そんなこんなで、「先生、やりませんか?」と(一度以上は断ったが改めて)振られたので、最後の最後に、ファミリーさんをお迎えして演技をすることに。ただし「カード無しで」がびーん。

  1. 十字に置いた割り箸が動くやつ
  2. リング・オン・ウォンド
  3. ペットボトルとかビールグラスとかが一瞬だけ拳にくっついて浮くやつ
  4. タバコの貫通(安田明生)の応用のやつ(楽屋ゾーンに落ちてたフォーク曲げの達人君が折った柄の部分1本と100円ライターで)
  5. ポケットリング

さすがにリングは借りた(笑)。演技全体の着地感が得られるようなレパートリーは、僕にはポケットリングでないと無理(や、これでも絶対評価としてはできてるとは言えないにせよ、持ちネタ間の相対評価として、の話)

久々に、ある程度のそれなり感を以て演じるなんてことをしたので、割と手が震え気味だったのが自分で笑えてしまった(^^;

コンスタントに演じる機会を持つのは大事ですなぁ。ほんとに。

ところで少し思ったこと‥‥ゆうきとも師プロデュースのクロースアップマジックイベント「新ゆったりとクロースアップ」が先日開催されたようで、その模様が数日に渡って師のブログで伝えられていた。この中で、僕が一番興味がある、というか、「楽しそうだな〜」と思うのが、参加者全員?が3分以内でひとネタずつ披露する「ひとネタショータイム」である。

こういう、いろんな人のパフォーマンスを「つまみ食い」できるというのはとても贅沢なことでもある。大学の授業でも「オムニバス形式」等と呼ばれるタイプのものだと、いろんな人が出てきて面白いので、個人的にはとても「好き」である(ただし大学の科目としては、例えば半期15回を貫くテーマのようなもの、一貫性が必要という観点も重要なので、必ずしも「良い」とは言えない)。大学の授業というととても格式張ったというか格調高いものを想起する人もいるかもしれないが、要するに(たいていはワンマンの)トークショーなわけなので、いくら内容が重要であるとは言っても、その場でライブとして味わっているのはやはり「ひと」なのだから、いろんな「ひと」が体験できるのは、悪いとは思わない。

今回、「若手」も含めて、いろんな手品バカ野郎ども学生さんたちの演技を見て、あまりにも正しい手品バカ野郎ども趣味人ばかりだったので、打ち上げに参加させてもらった。本番の時に、上手なステージングだなーとか上手な手練技だなーと思ってた方々がいたのだけど、やはりというか何と言うか、OBさんで、その中に、あの「ステルスデック」のTOUSON師がいらっしゃって驚愕。こんなところでお会いするとは、世の中ホントに狭いもんだなぁ‥‥実演見たけど、あれは魔法‥‥ではなくて、超能力だった。いや、見たもん。

てなわけで、僕もいろいろくだまきつつ、あれをやった。あれ。あのー、あれ。あの、カードが飛んでくやつ。DVDのStars of Magicの最初に出てくるあいつ、あの、キテレツな手品を作る、奥目でアゴ引いてオデコ突き出してしゃべるヒゲのやつ、あれだ。名前が出なくなるとダメだね。演じてしばらくあとにGoogle先生にお伺いを立てて判明。Paul HarrisのCard Across。ハリスの名前が出ない、ってもう、あかん‥‥