過去数十万年続いた氷期・間氷期サイクル=日射量変動に対する、地球表層システムの応答
- 日射量変動の原因=自転軸の傾きや公転軌道の、周期的変動
- 地球表層システム=海洋大循環・氷床・地殻など
アジアの気候も氷期・間氷期サイクルとともに変動してきた
- 約2万年前の氷期:インドモンスーンが弱く寒冷で乾燥
- 1万年〜5000年前:夏季には現在より暖湿
- 南アジアモンスーンも今から6000年前がピークで、強度は徐々に弱まった
大規模山岳の高度上昇によってこんなことがおこった(Kitoh, Clim. Dyn., 28, 781-796, 2007)
- アジアモンスーンによる降雨域の大陸内部への進入と強化
- インドネシア海洋大陸での暖水域の形成
- ENSOの系統的変化(強度が弱く、周期が短く、より不定期になる)
その他、東南アジアでは、チベット高原南東部の山岳上昇によって、それまで紅河(ソンコイ川)は南シナ海へ流出していたが、長江を経て東シナ海へと流路が変わった。