本年度の担当授業完了

本当はあと1回だけゼミが残ってるんだけど出張がかぶったので上司に託す。よってオレが直接手を下す(?)べき授業は今日の「科学コミュニケーション論」で終了。
学期開始当初に予定していた内容というか方向性は、従来の意味で、より良く科学的知識を伝え広めるための手段としての科学コミュニケーションを紹介するつもりだった。
しかし、学期が進むにつれ、オレ自身の考え方が少しずつ変わってきて(進化していると思いたいが)、結局、それではダメだ、もっと新しい形を目指そう、というようなオチになった。
具体的には、

世の中の「理科離れ」病は深刻で、科学的知識を伝えようとしても、誰も聞いてくれない。例えば、マジックは見ないくせにマジックのタネは聞きたがるような人でも、科学マジックは喜ぶくせに科学マジック(につきものの)の種明かしは聞こうとしない。だから、「科学プラスα」のイベントをやったとき、「プラスα」の部分がメインでもいいじゃないか。プラスαのためのコミュニケーションがあって、そこに何気なく科学的コンテンツが添えてある。プラスαの印象に引っ張られて科学の印象が上がればそれでいいじゃないか。そして、その行いの中で、科学を語る人がいて、その人の姿に「科学的態度」を見てくれればいいじゃないか。科学的「知識」なんてなくても生きて行ける。それが現実だ。だが「科学的態度」は即ち「きちんと考える」ということでもある。これは重要な技能である。人から人へと「科学的態度」を伝えるのが科学コミュニケーションに課された仕事ではないか?

ってなかんじだ。またの機会にきちんと書いてみよう。

授業終了後は、予算の関係と、出張の関係と、テスト作成で、いっぱいいっぱいであった。定時のバスを諦め、1時間残業して帰ろうと思ったら、そのバスも目の前で行ってしまい、もう1時間残業する羽目になったが、まぁ、書類の作成やら整理やらはできたのでよしとしようか。