日食情報

明日の皆既日食・部分日食に関する基本をまとめておきます。
※なお日本で天文現象と言えば
国立天文台トップページ
http://www.nao.ac.jp/
なわけですが、アクセス殺到のためなかなか見ることができません。

禁止事項1

専用の器具なしで太陽を見てはいけません。「サングラスでいいんじゃね?」とか論外です。また、昔よく見られた観測法もたいていアウトです。無理に目を直接向けなくても、間接的に「見る」方法がいろいろあります。詳しくは後述。

基本知識1:いつどこで

皆既日食とは、太陽が全部、100%隠れてしまうことです。だいたい午前11時前の、約5分間だけで、しかも奄美大島トカラ列島に行かないと見れません。何ヶ月も前に予約を勝ち取った日食病患者の皆さんが殺到しています。
だから、「日食っていつ見れるの?」と今さらここをお読みの皆さんは皆既日食ゾーンにはいないわけで(笑)、そんな皆さんは、部分日食=全部じゃないけど結構欠ける太陽、を見ることになります。
ここで大切なのは、日食自体は2時間近くあるということです。
近畿地方の場合、1時間ぐらいかけてじっくり欠けて行き、11時前に最も欠けて(8割ぐらい欠ける)、また1時間ぐらい欠けてゆっくり元に戻って行きます(別の言い方をすれば、その「最も欠けた時」に奄美大島トカラ列島では10割欠ける、ということです)。
以下、大部分の人が見ることができる部分日食に絞って書きます。どこにいればいつどのくらい欠けて見えるか、は最後にまとめておきますのでご参照下さい。

おすすめ1:いつ見るか&天気との関係

例えば近畿なら最大8割欠けますが、7割欠けた太陽と8割欠けた太陽の区別がつく人はほとんどいないはずです。だから、食の最大時刻を挟む1時間程度の間に、晴れ間があったら見たら良いと思います。もし複数回見ることができたら、「さっきより欠けた(食の最大に向かう時)」とかいうのもわかる‥‥かもしれません。
繰り返しますが、「食の最大」だけが日食ではありません。

見る方法1

どうしても、直接、自分の目で見たいなら、「日食グラス」「日食メガネ」などと呼ばれる専用のフィルターを使って下さい。近くの科学館やプラネタリウムに朝早く行けば、売店に在庫が残ってるかもしれません。

禁止事項2

双眼鏡や望遠鏡で太陽を見てはいけません。
日食メガネ越しでもダメです。虫眼鏡で自分の目を焼くのと同じです!ほぼ確実に失明します。

禁止事項3

昔は、以下のようなものを透かして太陽を見ることになっていました。が、現代では、全てアウトです。

  • ガラスにススをつけて黒くしたもの
  • 現像済みフィルムの真っ黒のところ
  • CD
もちろん、以下のような、昔から巷で「これでもいいんじゃね?」と噂されていたのも全てアウトです。
  • 黒い下敷きやアクリル板
  • スモークガラス
  • 黒いゴミ袋
  • お菓子の袋
なぜアウトかというと、目に見えない赤外線がカットできてないからです。目に見えなくとも赤外線が強力なのは、炭火焼を見ればわかりますね。これらの方法は目を炭火焼にさらしてるのと同じです。網膜障害の危険があります。

おすすめ2:日食観察は直接見ないでやるもんだ‥‥影を見る

男性なら、小さい頃「ピンホールカメラ」を作ったことはないでしょうか?小さな穴がレンズの代わりになって、像を結ぶのです。カードの大きさ程度の厚紙の真ん中に千枚通しで穴を開けて、影を見ます。すると、カードの影の中に、穴の光が見えるわけですが、これが実は太陽の姿をしています。太陽が欠けているときには、穴を通った光の形は(穴の丸い形ではなく)欠けた太陽の形になります。
ぜひこちらを参照のこと!→世界天文年2009日食観察ガイド:ピンホール工作の例
「狭いところを太陽光が通ると、その光の形が太陽の形になる」という原理は、木漏れ日でも成り立ちます。木漏れ日を探しましょう。三日月ならぬ「三日太陽」が所狭しと並びます!
参考画像→(※撮影:吉住千亜紀氏、2次使用禁止)
参考URL→日食の観察 みんなで木もれ日を撮ろう