拡張プレゼン道:プレゼンテーション作りの流れ

オレがオススメする手法である。ポイントは、話を作ってからそれに合わせてスライドを作るのではなく、スライドを作ることそのものが講演内容の構築になっていることである。

  1. 話の内容を漠然とイメージする
  2. スライドのデザイン(スタイル)を仮決めする
  3. タイトルだけのスライドを並べていく
  4. 並べ替える
  5. 少し作る
  6. リハーサル
  7. 修正
    • 5に戻る
  8. (5-7のサイクルが一段落したら)アニメーション等の効果を入れる
    • 6に戻る

以下、順番に解説する。

1. 話の内容を漠然とイメージする

まず、全体のテーマを決める。そこから、どんな話になるか、どこまでの話題を含めるか、オチはどこに持っていくか、といったストーリーのアウトラインをイメージする。まだ言葉になるかならないか微妙なところで構わない。話す順序も考えなくていい。

2. スライドのデザイン(スタイル)を仮決めする

ストーリーのイメージができたら、さっそく作業にとりかかる。たいてい、スライド作成の最初には、テンプレート選びというか、デザインを決めるステップが入る。この時点で、ある程度の決心で、デザインを選ぼう。後でももちろん変えられる(貼り込む写真のトーンによって背景の色調を変えなければならなくなったりする)が、やはりイメージに合うのを選んでおくと、細かいアイデアが出しやすいなどの好影響があるだろう。

3. タイトルだけのスライドを並べていく

これがオレ流作成術のキモである。始めにイメージした内容を伝えるには、どんな話題が必要だろうか?あるいは脱線するならどんな話題が適当だろうか?それらの話題を扱うならどんな前振りが必要だろうか?挨拶は?自己紹介は必要?最後にまとめページは必要な場か?‥‥といった感じで、必要な「話題」を「スライドのタイトル」に書いて、どんどん作っていくのである。カードに書き出すようなものだ。順序は次のステップで決めるので、とにかくあれもこれも、「目次」「プロフィール」「背景」「過去のデータ」「それは本当?」「新しい○○」などと、タイトルだけのスライドで出していくのだ。ここで中身を作ろうとしてはダメ。タイトルだけ。

4. 並べ替える

タイトルだけのスライドを、並べ替える。この話の前にはこれが要る。ということは、これは後回しになって、んー、あれ、この話は入れる場所がないぞ?じゃあやっぱりこっちの話から話し始めることにしようか、ということは‥‥という風に、あれこれ並べ替えながら話の流れを作っていくのである。フローチャートを作ってるようなものかもしれない。つまりこの作業は、スライドを作っているのではあるが、実際にはストーリーの内容を構築する作業なのである。

5. 少し作る

並べ終わったら、手をつけ易いところから手をつけていく。できるだけまんべんなく、ちょっとずつ作る。例えば写真とその解説のページを作るのなら、写真を挿入するだけにしておく。位置や大きさの調整も後回し。ここで1つのスライドにこだわり過ぎると、作業全体も、出来上がるスライドも、アンバランスなものになりがちである。全体をまんべんなくちょっとだけ作るのだ。

6. リハーサル

できるだけ早い時点でリハーサルを行いたい。もしできるのならば、前段の「少し作る」の前、並べ終わった直後でも良い。○○が足りないとか、そのスライドは分割すべきだとか、その2枚は統合できるよねとか、やってみたらすぐに気付く。

7. 修正

加筆訂正、分割、結合、etc.といった、いわゆる「スライド作成」である。ここでやっと「どのようなスライドを作れば良いか」という概念が入ってくる。少し作っては、リハーサルをして、というループを続けるが、大切なことは、この時点では、可能な限り動かないスライドを作ることだ。

8. (5-7のサイクルが一段落したら)アニメーション等の効果を入れる

スライド作りがほぼ終わったら、その効果を高めるために、アニメーションや画面切り替えや、それらの作動するタイミングの自動化などを仕掛ける。アニメーションを作成作業の最初からやってしまうと、たいてい、内容の薄い、何をやってるのかよくわからない、アホっぽいスライドになる。あくまでも「アニメーションがなくても通じるスライド」ができてからである。