ペットボトルを落とした時の発泡

前から気になっていること。
ガラス瓶だと割れてしまうのだが、中身の入ったペットボトルを、うっかり手を滑らせて床に落としてしまった時、「ボコッ」とも「ドバッ」ともつかないような音をさせて、転がる。このとき、中を見ると、ものすごく泡が出ている。泡切れの良いお茶の類でも、ビールみたいというと言い過ぎだが、それでもかなり細かくて消えにくい泡が大量に発生する。
これの理由が、よくわからない。
マクロな?視点の仮説を立ててみた。
上で描写した際に一つ書かなかったことがある。ペットボトルを床に落としたとき、カラならばよく弾むのだが、中身の入ったペットボトルは全く弾まないのである。
弾む場合には、弾んだ後にも運動しているわけだから、ペットボトルは力学的エネルギーを(けっこうな割合で)残している。
しかし中身があると弾まないのでこの場合には、そもそも中身の質量があるため大きい力学的エネルギーを持ったまま床まで到達し、衝突した後には弾まない=動かない=力学的エネルギーがゼロになるわけだから、もともと持っていた大きな力学的エネルギーの全てを衝突の一瞬で何らかの形で消費してしまわなければならない。粘土玉などの場合には、これは塑性変形(ぐしゃっとつぶれて元に戻らない変形)に使われてしまう。液体が変形しようにも、ボトルの形に沿った形から変形しようとすると、波立たなくてはならない。
衝突で不連続な力が一瞬かかることによって、不連続なパルス状の波面が液体内に生じるが、伝播する間にフーリエ分解っぽいかんじで高周波が生じてあわ立つ‥‥のかなぁ。この辺から怪しくなってくる。よくわからない。
あるいは、ペットボトル底部から力を受けたとき、これが固体なら、床から離れて飛ぶ(即ち弾む)ことができるが、液体即ち連続体なので、底面から簡単にはがれることができない(いわゆる「境界条件における連続体の密度の連続性の保証」というやつだ)。だが実際にははがれないといけなくなって、そこで「連続体である」という設定がおかしくなってしまう‥‥というシナリオも考えてみた。衝撃波とか砕波の理屈みたいなニュアンスで。
スーパースローカメラを(手品の種明かしなんかに使わないで)衝撃→発泡の一部始終を撮影してもらえないもんだろうか。流体の実験としては結構面白いテーマなんじゃないかと思うのだが。