コントロール雑感(カードマジックの話)

手品愛好家は、コントロールが大好きだ。知らない技法があると飛びつく習性があるが、(特にトップ)コントロールに関しては特にそれが顕著だと思う。もちろんオレもそうだ(った、と過去形で言っていいのかは不明)。
それはそれでいい、という意見もある。「特定の技法は特定の奇術と結びついたときに最大の効果を発揮する」とは松田氏の言葉であるが(「遊びの冒険第1巻トランプ・マジック・スペシャル」)、例えば「カードマジック事典」でよくある風景の「何の指定もなしに「2枚目にコントロールする」って言われてもw」とかいう類の作品を解読・習得する過程で、より多くの選択肢を持っていたほうが、より良く実行できる可能性が高い、ということは言える。あるいは何らかの「改案」をしようと試みる場合、あるいは「創作」しようと試みる場合も同様である。
でも、ふと思ったのだが、そもそもコントロールってそんなに使うことないよね?
「テイク・ワン」と呼ばれるいわゆる当てモノ系以外で使うことって、殆ど無いのではあるまいか。「移動」に類するものが少しあるにせよ、それも当てモノと大差ない類の作品のような気がする(VisitorやAmbitious Cardなど)。要するに1枚のカードが、それを演者が知っている場合と知らない場合があるにせよ、何らかの形で(デック内の)あり得ないところから出現するわけだ。
そういう作品を、1回の「ライブ」で2つ以上演じることはまずない(あってはいけない)と考えられる。また、通常の愛好家の場合、きちんと演じることが目標ならば、そんなにたくさんのレパートリーがあるとは思えない。ならば、コントロールなんて2つ、欲張っても3つできればいいんじゃないか?という気がする。ただし、「きちんとできる」ことが重要だが。
いま、3年計画で習得しようとしているコントロールがあるのだが、「でもこれどこで使うんだろう」とモチベーションが揺らいできた。いやいや、買ったDVDの元は取らなければ。