空中浮遊

朝夕の通勤電車で、泉佐野を過ぎた辺りになると、関空にアプローチする飛行機が見えることがある。オレの実家は伊丹空港の近所だったから、別に珍しくもないのだが、今日、ふと目に入った飛行機は、空中に止まっていた。
いや、本当は、というか当然、普通に着陸態勢に入ったまま時速300km以上ですっ飛んでるのだが、こっちが特急でぶっ飛ばしてるもんだから、手前の風景がびゅんびゅん流れて行くのに比べて、飛行機のほうが殆ど動かないように見えたのだ‥‥と思う。こちらの線路が緩いカーブを描いていたのかもしれないが、もしそうなら、車窓からその飛行機を見る角度というか方角があまり変わらなかった、という効果があったのかもしれない。
しかし、頭ではそう考えようとしても、我が目がそれを拒絶していた。
このオレ様が、うっかりUFOを信じそうになるぐらいドキッとする光景だった。