いきなり洋書の和訳を始めた理由

いったいDrMagicMusic940に何が起こったんだ!?円高のせいか?などといぶかしむ向きもあるかもしれない。

説明しよう!(←もちろん故・富山敬の声で)

大学院に進み、専門書で勉強しなくてはならなくなった頃、いつも腹立たしかったのが、なんでこんなにみんな読む本なのに邦訳版が無いのか、ということだった。勉強し、中身を把握し物理を身に付けるのが早ければ早いほど、より生きた研究に近い「論文」に対する敷居が低くなるし、もちろん他の洋書も読みやすくなるはずなのに。
工学系だったり農学系だったりすると、この状況は少しはマシになるようだが。

だから、基礎物理の教科書でない専門書の和訳は、いつかやりたいと思っていた。

その話とは別に、何度も何度も読もうとしては始めの方で挫折していた専門書があった。そして何度目かわからないが、ともかく最近になってもう一度チャレンジしようと思った。

研究者がホームページを開設するということについて、特にその効用について述べた本を以前読んだことがあった。そこには、研究したこと・勉強していることを自分自身のためにどんどんリアルタイムに記録していくことが大切であり、それによって自分の考えがまとまったりすることもあるし、一つの情報発信であったりもするからだ。

そこでこの本で勉強したことを書いていこうと思った。‥‥というところで、じゃあ全訳して公開してしまえ、ひょっとすると訳に対するリアクションが得られるかもしれないし、web上の「公共財」となるだろうし‥‥そして全部できたら出版できたらいいなぁ‥‥ということだ。実際にも、どなただったか失念したが、授業ノートのつもりで統計力学の解説を書きHPに置いていたら本にすることになった、という例を見たことがある。その先生は出版した後も(出版社の了解を得て)原版をHPにおきっぱなしにしている。ある意味で、オープンソース的発想かもしれない。出版するに足るような和訳集になるかどうかはともかく、全訳しようと思うと細かいニュアンスまで理解に努めないといけないので、思ったより勉強になるものだなぁ、と始めてみて思った。めちゃめちゃ大変だけど(笑)