Santer et al., 1986 on A&A

Photopolarimetry of Martian aerosols. II - Limb and terminator measurements
Santer, R., Deschamps, M., Ksanfomaliti, L. V., Dollfus, A. Astron. Astrophys. 158, 247-258 (1986)

1974年2月に火星周回軌道に載ったソ連の火星探査機MARS-5*1搭載の2つの偏光撮像装置VPMは、火星のlimbからterminatorまでの偏光・測光スキャンを数多く記録した。地表面の諸特性と薄い氷晶雲やダストの巻き上がりについての解析は既に論文として発表済みである。ここの解析の対象は、常に自由大気中に滞留しているエアロゾルである。これらは高緯度の40-60kmにその殆どが集中しているように見える。偏光度を見ると、サブミクロンサイズで、屈折率が約1.55、即ち地球対流圏内・大陸上空のエアロゾルに似たものであることを示している。観測期間中、その光学的厚さは592nmではτ = 0.1 を超えることはなく、これは観測期間全体が特に清浄な大気状態の期間に相当していたことを示している。

*1:1973年7月25日打ち上げ、1974年2月12日に火星到達。数日周回し、70枚の写真撮影、オゾン層検出など。