Ikeda et al, 2007

Polarimetric Imager for Comets, PICO
Y. Ikeda, H. Kawakita, R. Furusho, Y. Sato, and T. Kasuga
Publ. Astron. Soc. Japan 59, pp.1017-1025 (2007)

彗星などの天体に最適化した偏光撮像装置「PICO」を製作した。PICOは5'x10'の視野を持ち、ウォラストンプリズムを固定してアナライザーとして使っている。ウォラストンプリズムのようなダブルビーム・プリズムを用いるポラリメータの場合、プリズムによるlateral chromatic aberrations(倍率色収差)によって像の劣化が起き、測定精度を悪くすることが多い。しかし、PICOは逆の「横の色*1」を生成する新光学系で補償することで、倍率色収差が殆ど無い。この光学系により、PICOはその視野内全体で高い分解能、高い精度の偏光像を取得することができる。全体の精度は、偏光度にして ΔP≦√((P/85)^2+0.3^2)% 程度、位相角で Δ&theta≦3° 程度と見積もられ、彗星研究が要求する精度を満足している。

*1:波長の関数として像の大きさに変化を及ぼす結果となるレンズの収差。