ゆうきともレクチャー@Card Shark (3)

TTを使った手順とその成立背景・考え方について聞いてみたいなぁ、と思っていたのだが、そのTTを使わないのだけども、使ったらできるであろう手順にイメージ的に近い作品の解説があったので、予期せぬ充足感。できそうだし、そのギミック部については、コンビニの安売り本で知って「これは使ってみたいすばらしいアイデアだ!」と勝手に思っていたやつだっただけに(こういうところで「使い捨て」られているアイデアやコンセプトは、古典的であるが故にパワフルで豊かな発展性があるので、それを狙ってわざわざコンビニ安売り本を買うのだ)、いいお土産になった。ちなみに、よく似た現象を、TVでピエール師が演じているのを見たような気がするので、もしかすると「以前にもワイズワークスか何かで出てますよ」と言ってたのを聞き落としたかもしれないが、いずれにせよオレのレパートリーには入ったことの無い類の手品なので、触手がぴくぴくだった。
それにしても、地味なんだけども、あの「のじまき式ひっくり紙幣」は、見ているこっちがひっくり返った。2〜3年前に、NHKのお昼の番組で、かのマリック師がレクチャーとして真面目に演じていた際(※8ツ折)でさえ機能していなかっただけに、正直、あれがマジックとして成立するとは思ってもみなかった。しかもその「のじまき式改案ポイント」が、星3つ分ぐらい簡単になる方向への工夫、結果としてほぼ何もしなくてもできちゃう工夫、であったという事実に驚嘆度さらに倍。
2FLYについての質問をいくつか用意していたが、実演を見て(もちろん解説も納得して)、それらを表に出す前に氷解した。いちおう書いておくと、「カジュアルにやれるように作った、とあるが、ソフトコインでなくても大丈夫なのか?」や「消すほうの四指は動かさない、と言っても限度があるし‥‥」、あるいは「最後の段だけテーブルを必要とするが、フィンガーティップコインズアクロスの良いところの一つを捨てているのでは?」といったところだった。結論としては、前2者は「問題ない」、最後のは、まさにその気になっていた点をすっぱり別のものにしたバージョンを紹介された(そしてそれがすごく腑に落ちた)ので疑問そのものがふっとんだ、というところ。
かなり不思議な「セルフワーキング」的トリックの解説があった。実は、技術的には、単純に公明正大に秘密動作無しでカードを2枚ずつ「的確に」数えていくのが、けっこう難しいという気がした。あんまり恩恵にあずかりそうな機会の無い「ちょっとした技法」なので、そういうことをしたこと自体がほとんどなかったからである。でもまぁこれは多分に個人的事情に起因するので他の人々は違う可能性大であるのだが‥‥。とにかく、その「普通に2枚ずつ数えていく」という「技術」のここでの目的である「アレを即席にそこに仕込むこと」自体が、非常に「身につけておくと財産になる」ことなので、まずはこれを練習したい(あとなんとなく、シークレットアd〜にもいい寄与があるような気がする)。っていうかフローティング○○っていうんだ、へぇ〜。