ゆうきともレクチャー@Card Shark(2)

それにしても冒頭からやられた。ロープマジックがあんなに面白かったとは!

今まで、どうしてもロープマジックが面白いと思えなかったのだ。カタヤマさんの3部作の最終巻でいわゆる『3本ロープ』が採り上げられていて、自分なりのアプローチをやりかけたことがあったが。

帰りの道すがら、なぜそんなことになったのか、カタヤマさんのゆうき本の『ひもチョキII』を読みながら考えてみた。(正確には、読もうと思って開いたままぼけーっと考えてた)
すると、ありがちな状態‥‥面白いロープマジックを見たことがなかった‥‥だっただけなのかもしれない、と思った。現象はいろいろあるし、名人とされる方々の芸も何度かTVで見たことがある。生でなくても面白いものは面白い、という側面もあるので、ライブを見てないからだ、ということだけではなかろうと思う。
で、はたと考え付いたことがあった。面白い演技を見たことが無い、のではなくて、「目に快い演技」を見たことが無かったのである。ロープマジックは、というかロープは、上手く扱わないと、だらしないのである。
でろ〜ん、ぶら〜ん、としているので、本人がきびきび動いてると「視野の中にマヌケなヤツがちょろちょろしてる」ようだし、本人がカジュアルないでたちならば「ちょっと襟が変だぞ」「ネクタイ曲がってるよ!」に似た「不潔感」がつきまとう。
テンポや全体の流れは言うまでも無く、長さの調整や、持ち方などといった「細かいところまで神経をいきわたらせること」がきちんとできていないと目に快い演技にならないのだろう、と推測する。ゆうきとも師は「理論派」と呼ばれそのクレバーな面だけが強調されがちだが、(よく観察している人々は重々承知していると思うが)かなりの技巧派、テクニシャンである。難しい技法を駆使しているというよりも実際に使っている技法の完成度が高いという意味で‥‥そしておそらく実際に使うべきと判定された技法は難しくてもさくっとこなすのだろう。カードでさんざん見せ付けられてきたつもりだったが、ロープでもそうだったんだなぁ、と思った次第。
『ひもチョキII』、やりたいけど、道は相当に長いなぁ。