『Five Card Polka』By Phil Goldstein

今回の飛騨出張には、例の『パケットトリック』を持参している。もちろん、オマケのカードも。せっかく付いてきたオマケのカード、何か使いたいものだとこの本の中を物色する。以前も書いたが、パケットものは手順がややこしく覚えられないので、手順が脳内でごちゃごちゃにならないように、厳選して覚えることにしている。そんなオレが、超有名な、もはやクラシック・スタンダードと呼ばれる価値があるだろうこの『Five Card Polka』をまずモノにしようと思い立ったのは、自然な流れではないだろうか?
この『Five Card Polka』は、テイク・ワンほどではないにせよ、掃いて捨てるほど存在するであろうワイルドカード現象の一つと言えるだろう。ちなみに今までのオレのレパートリーには無いジャンルだ。肝心の具体的な現象であるが、仕事も少なく、覚えやすい。要するにハバックカウントして改め、1枚抜いて、パケットが全部○○になるまでエルムズレイ・カウントして、表向けて並べる、たったそれだけだ。何枚目がどうのこうのとかいうのが出て来ないのが嬉しい。
しかし、少なくともオレが演じることを考えると、非常に大きな問題が2つある。一つは日本人にどうしても付きまとうことだが、ポーカーハンドに疎遠なので、ありがたみというか直感的インパクトが欧米人に比べて少ないということ。まぁこれは相手を選んで演じれば良い(=若い人限定)のである程度大丈夫なのだが、問題は、この『Five Card Polka』というタイトルの由来でもある、現象とリンクした小咄である。ぶっちゃけこれ、面白いか??タイトルだって、pokerとpolkaの発音が似てて、なおかつpolkaが何ぞやというのがパッと出てくる欧米人だからこそ意味も通じるだろうけど、日本ではどうか。4回ぐらい読んでようやく言いたいことがわかったのは、訳がヘタだから、オレがアホやから、という理由だけではあるまい。しかも『Five Card Joker』て。現象にはキレイなオチがあるのに、小咄にオチが無いという締まりのなさ。ところが困ったことにこの現象、何らかの小咄がないと全体の脈絡が無いのだ。いい手順なので、日本人向けに(ポーカーさえ知ってれば)誰でも受け入れられるような小咄をでっちあげることが急務と言える。マックス名人は大好きなので本当に申し訳ないのだが、少なくとも、オレの周りでこの(原作の)小咄に『ついてくる』ヤツは居ない。