下がる腕、上がる霧

飛騨天文台到着後、さっそくフラットをとるべく動き出す。ところがフィルターが汚れまくっていることが判明。助手の人に薬剤を調合してもらい、洗浄しようとした矢先、これが汚れではなく『表面のキズ』または『内部の接合面の剥離』による異常であることが発覚。まぁ、まだこの死んだフィルターはさほど重要な波長ではないのが救いと言えるか。しかしそんなこんなの間に日が暮れて、フラットは撮れなかった。
夕食後仮眠をとって、高度がそれなりになってくる午前1時過ぎに起き出し、観測を開始する。ところが2年ぶりの65cmは言うことを聞いてくれない。っていうかこれ一人で全部やるのはキツイよマジで。なんとか『trail』(望遠鏡を止めて星を流してCCDカメラの傾きをチェックするやつ)を3枚ほど撮って、さてピント出しするかな、というところだったのだが、なんのなんの、透明度の割には全然シンチレーションが。ピント出ねぇーと悪戦苦闘するも、カンが戻らない。『こんなはずじゃない』と自分の腕前のうなぎ下がりっぷりに動揺しつつじたばたしてたら、飛騨の夏の名物『霧』が出てきてドームを閉めざるを得なくなる。火星を含め、星がきれいに見えているだけに、閉めないといけないのが腹立たしい。これを書いてる現在、まだ待機中で、一応、朝まで起きているつもりだが、たぶんダメだろう。明日からHOPSを付けて本観測だから、それに期待しよう。
ちなみに天気予報によると晴れるのはこの夜だけだとか‥‥。