あなたのこの1年の満足度を数理モデル化してみた

年の瀬にふさわしい(?)話題を一つ。

「今年はどうだったかなぁ」「今年はやりのこしたことがいっぱいあったよなぁ」「今年はけっこう頑張ったなぁ」などと思いを巡らす時節であるが、どのような条件のときにこの一年を「後悔」するだろうか?

日々は選択の連続である。選択とは意思決定であり、その意思決定を間違った場合、「あの時こうしていれば」と後悔する。従って、日々それぞれの身に降り掛かってくる「選択」に失敗したダメージ、衝撃の、1年間の「積み重ね」がある閾値を超えた時に「後悔」し、そうでない時に「満足」(あるいは「まあまあ」)できる、と判定されると単純化できそうである。

ということで、これを数理的にモデル化することを試みる。

意思決定、判断にはその人のセンスが出る。「いつもうまくいく人」は確かに存在するし、逆に「何をやらせてもダメ」な人もいる。そこで、その人の「判断力」を、一定の確率=「判断正解率」pで表すことにする(0≦p≦1)。

日々降り掛かってくる「選択」には、「電車のこの車輌に乗るか、もう一つ前方の車輌に乗るか」ぐらいのどうでもいい選択もあれば、「結婚するかどうか」あるいは「あぶない!飛び出し!(ハンドルをどっちに切る!?)」のような重大な選択もある。そしておそらくそれは、全くにランダムではなく、重要でない案件ほどたくさんあり、重要であればあるほど少ない…いわゆるべき乗則に乗るものになるだろう。地震マグニチュードと発生頻度のようなものだ。そこで、単純化のために、1日1回選択があるものとし、観測期間をN日間として、n日目に訪れる案件の重要度(Importance)をI(n)とする(重要度I(n)は地震マグニチュードの時系列のような形になるとするわけだ)

判断に成功すると、重要度に応じてプラスに感じ、失敗すると重要度に応じてマイナスに感じる。これをN日間で積算したものが「満足度」Sであるとする。それぞれの判断の成功確率はpだから、規格化のために観測日数Nで割ることにすると、満足度Sの期待値は以下のようになる。

S=(1/N)Σ{ pI(n)−(1-p)I(n) }  (※Σはn=1〜N)
=(1/N)Σ(2p-1) I(n)
={ (2p-1)/N } ΣI(n)

この時点で、少なくとも満足度S>0になるためには、p>1/2‥‥つまり半分以上は正しい判断ができる人でないと満足することはない、ことがわかる。まぁ、当たり前と言えば当たり前だ。

I(n)の規格化条件を考える。全ての判断に成功する人はp=1のケースに相当するから、
S=(1/N)ΣI(n)=1
と規格化することにすれば良いだろう。

このようにして算出されるSに対して、我々はどのように判断するだろうか? ここはよめさんがアイデアをくれたのだが、例えば「自分は8割ぐらいはイケてる」と思ってる人は、結果が8割以上出てないと納得しないだろう。従って、満足判定条件は

S≧p

と言える。

あとはI(n)を作りさえすれば、例えば、よくある「診断メーカー」「占いメーカー」みたいな感じで、「判断正解率p」「観測対象期間N」を入力すれば「あなたのこの1年は満足/後悔すべきです!」と判定してくれるアプリとか作れるんじゃないかな。