エボラ出血熱の致死率は下がっている

みんな飽きちゃったのか、すっかりマスメディアでは小さな扱いになってしまったけど、西アフリカ・エボラ出血熱の流行状況は、ペースは落ちたとは言え、指数関数的な拡大が続いている。依然としてとんでもない脅威のままだ。

でも、データ公表3回ごと(5〜7日程度ごと)の致死率の推移を計算してみると、40%を下回りそうなほどに下がってきているようだ。

ここで言う「致死率」は、罹患【してしまった】患者のうちどれだけがこの病気で亡くなるか、を表す。拡大の原因である独特の土葬の風習をやめて「正しく土葬する」という努力がなされているけれども、これは【新規の】患者数を減らす効果に現れる。従って、致死率が下がるのは別の理由、すなわち「手当て」の効果だと考えられる。

治さずとも体力をキープすることで悪化を防ぎ免疫系が勝利するのを待つ方法で致死率を下げることができるとの話も聞く。もしこの話が正しく、かつそれをきちんと実行したために下がったのであれば、まさしく、「きちんと手当てをしている」現地の医療チームの決死の活躍の賜物だろう。最大限の敬意を表したい。

※図はWHO12月3日発表のSituation Reportのデータまでを用い、発表3回ごと(およそ5〜7日程度の間隔)に

致死率=(死者数の増分)/(患者数の増分)

として計算したもの。

後日の追記

本来の、疫学で言う「致死率」を計算するときの時間の幅は「5〜7日程度の間隔」ではなく、潜伏期などを考慮に入れた時間の幅を取るべきでした。すみません。まぁ、大略としては、言ってることは間違ってはいないと思います。