あなたは消化って何のことか知ってますか?

「コラーゲン摂取は無意味」認識広がる、鍋ブームの陰で“神話”崩壊。

よく読むと、それ「崩壊」してるのか?と疑問を抱かざるを得ない。というのも、この記事を逆順に読めば、

(全国の25歳〜39歳の女性500人の)43.4%が「コラーゲンが含有された商品を食べ物や化粧品で摂取しても効果がないという情報を聞いた事がある」にも関わらず、8割以上が「肌のハリがアップ」をコラーゲン摂取に期待し、実際に約半数がサプリメントやドリンク、鍋で今後摂取したいと考えている

となり、これは被験者たちに「効果がない」という情報を理解する力がないことを示していることに他ならないからだ。被験者は「全国の25歳〜39歳の女性500人」であるが、おそらくこれに限らず広く同様の傾向が見られるであろうことは想像に難くない。

そもそも、

  • アミノ酸というパーツがたくさん集まってタンパク質を作っていること
  • 胃や腸でタンパク質をアミノ酸に分解することが「消化」であること*1

は、オレは確か小学校時代に習ったぞ? (今は中学かもしれんが、今回の被験者はオレと同年代ぐらいである)
コラーゲンなるものがタンパク質であることはあっちこっちに書いてあるから予め知っておく必要はないが、小中学生程度の知識(というより概念)があれば、「コラーゲンなんて食っても胃腸で消化されてバラバラになるんだからコラーゲンじゃなくなる」ことぐらい、当たり前過ぎるぐらい当たり前ではないか。そして、生活する上で別にペプシンだとかトリプシンだとか消化酵素の名前はどうでもいいし、「アミノ酸」という単語だって要らないかもしれない。が、「消化って何ですか」ということぐらい知っているべきじゃないだろうか。
オレは「生活に必要な科学的知識は生活の中で覚えるものだ」と言っているが、これはその「必要な知識」に入ると思うんだけどなぁ。

*1:もちろん、炭水化物はブドウ糖へ、脂質は脂肪酸グリセリンへ分解されるのがそれぞれの消化であるが、そんな名前はどうでもよい。念のため。