日本の天然ダイヤモンド〜前弧に浮上したマントルの謎〜, 水上, JGL, Vol. 4, No. 1, 2008

愛媛で採れた岩石試料をラマン分光で見てたら、たまたまダイヤモンドのスペクトルが出てるのを大発見!大きさは1ミクロン程度だが確かにある。でも前弧でダイヤモンドを作ろうと思ったら相当変なプロセスがないとダメだよね?何があったんかな?
‥‥というお話。細かい話は置いといて、簡単にメモだけ。

天然ダイヤモンドが産出されるための条件

  • 形成条件:500℃で3GPa以上、1500℃で6GPa以上の高温高圧下
    • 地下100kmより深いところか、隕石衝突による衝撃圧縮でしか実現不能
  • ということは、地下深部でできたダイヤモンドが産出されるためには、地表近くへ運ぶメカニズムが必要。
  • しかも、運んでる最中にグラファイトやCO2に変化しないように短時間に、あるいは低温条件下で運ばねばならない。

日本は

日本はプレートの沈み込みによって地表の炭素が地下深部へ運び込まれ、かつ火山活動が活発に起こっている地域である。しかし、地表へ噴出するマグマの起源はダイヤモンド安定条件よりも浅い。また、過去に大規模な大陸衝突が起こったわけでもない。だから日本ではダイヤモンドは産出しないとされる。

(以下、ダイヤモンドを表層に運ぶための「変なプロセス」を、試料中に見られる鉱物の生成条件を考慮してあれこれ考えているが略)