若者たちがPCメールを見ない理由

仕事で関わっている学生達が、どうにもこうにも、PCでメールを使おうとせず、携帯で全部済ませようとするので、困っている。アラートだけならまだしも、作業ができない。図などのファイルのやりとりはもちろんだが、打ってくる文字数が少ないので、議論しようにも議論が成立しない。
いくら必要性を力説しても、「?」という顔をされてしまう。
これまでにPCをそれなりに使っていた人でもその傾向があるので、単にタッチタイピングができないとか、メールソフトの設定がどうとかという問題だけでもなさそうだ。いや、これらは実際大きな問題ではあるのだけど、それを克服したとしても、それだけでは解決にはならないだろう、と言う意味で。
裏を返すと、オレが彼/彼女らの年代だった頃には携帯メールなんて便利なものはなかったとはいえ、PCメールなんて不便なものがなぜ業務の主要パートになっていったのか、ということでもある。
で、ちょっと観察したり、考えたりして、こういうことなんじゃないかと思い当たることがあった。
特に学部生の間は、日常の「業務」のほとんどが「インプット」なので、"off the PC"の用事が多いと思われる。しかし、階級が上がり、「アウトプット」が多くなると、(多くの人はオフラインな「ものづくり」はしないので)アウトプット即ち普段の業務のほとんどが"on the PC"になっていく‥‥というシナリオだ。「on the PCでの作業」の多くは、アウトプットに関する作業‥‥図を作ったり、原稿を書いたり、作曲したり、そしてメールをやり取りしたり‥‥が占めるのではないだろうか?自分のためだけに図や原稿を作ることはないだろう。

だから、現時点では、彼/彼女らには、「そういうワークスタイルの人が多い」ということを頭の隅に置いとくと、トラブル防止というよりも、何かにつけてよりスムーズに物事が進むんではないか、と注意喚起するしかないのかなぁ、と思う。