運動量と運動エネルギーの違いを日本語で上手く説明する方法

運動量と運動エネルギー。これを定義式の意味ではなく、その「含意するものの違い」で語れる人はどれくらいいるだろう?例えば、運動の「勢い」なんてことばでは、どちらの量を指しているのかわからない。
科学コミュニケーションを専門にせむとするなり(「すなり」ではない)、なオレにとっては、結構大事なことである。
物理の何たるかをあるレベルまで見た人間にとっては、定義式を見れば、差は歴然である。一方はベクトル、もう片方はスカラー。それぞれの保存則は、一方は運動方程式を時間で積分したもの、もう片方は位置で積分したもの。これをきちんと「通常の日本語」にできれば、それはそれで説明になると思う。実際、そうだと思い込んで、定義式をきちんと説明しなければいけない場である進学塾ではそのような説明をしていた。
だが、一言で言わなければいけないときは、どう言えば誤解のないように言えるのだろう。
先日、「(気体の)温度とは何か」という話を、人文社会系の学生相手に講義していたのである。
そのとき、脳裏には、「温度⇔構成粒子の運動エネルギー」というのがあって、そのように言おうとするかたわら、「構成粒子の運動量⇔圧力」というのもあったわけで、その上で最終的に言いたかったことは、「気体は温めると膨張する」のはなんでですか、という話だったわけだ。
さて、オレはどうすればよかったのだろう‥‥。