ゼミ:HIと電波天文学、『分野』古星図

先日のゼミの記録。

HIと電波天文学

HI=中性水素。プロトンと電子のスピンが「一致した状態」と「違う状態」を遷移するときにエネルギー状態が変わる。この遷移に伴うのが21cm輝線。これは禁制線で、遷移確率はかなり小さいのだが、水素自体が大量にあるので、結果的には、一番強く観測される輝線。
水素は星の作られるところにあるので、輝線の強いところ=水素の多いところ=星の多いところ、と近似的に考えられる。

鏡面の精度=波長の1/20程度の精度があればよい、とされる。

強度=HI1個当たりの電波強度の何倍か?という量=HI粒子の個数
周波数=中心周波数(波長)は止まってるHIの出すエネルギー=ドップラーシフトするので、中心周波数からのずれは視線方向の速度を表す

電波天文では、波長ではなく周波数で話をすることが多い。c=fλだから、λ=c/fである。cは光速、3x10^5km/s = 3x10^8m/sだ。「テラヘルツ帯」の代表をたとえば1x10^12/sとすると、波長は、λ=(3x10^8)/(1x10^12) = 3x10^-4 m、つまり0.3mm、ということか。以下例:

  • 1THz ⇔ 0.3mm
  • 1GHz ⇔ 0.3m
  • 1MHz ⇔ 3m

分野星図

分野(ぶんや)‥‥昔の人は、「天空には現世を写し取った世界がある」と考えていた。中国伝来のこの思想や以下の考え方を、「分野」というらしい。だから、星図上で、空を区分けし、いろいろな地名がつけられていたりする。世界がそのまま空にあるのだから、地名だけでなく人も対応している。だから、そこに流れ星が流れたりすると、「孔明の星が堕ちた!」ということになる。見せてもらった分野星図には、「河内」「近江」などの記載があった。