出前講義「惑星のお天気と風景」

新宮に行ってきた。新宮ってどこ?という方は、Wikipediaの「新宮市」のページに載ってる図をご参照のこと。遠い、遠いよママン‥‥
土曜の朝の特急くろしおなんて誰も乗ってないだろ、と思って天王寺みどりの窓口に行ったら、もう残ってるのがグリーン車1席だけだと。やむなくそれを押さえることに(これが結果的には助かったのだが)。連休だから白浜とか勝浦とかに出かけるのだろうか。それとも朝のこっち方面はもともと混雑しているのだろうか。
大学の先生方というのはどうやら8月はまるっきり休みのようで(オレは公私ともに忙しかったけど)、9月に入ると急に仕事気分になるのか、思い出したように会議が連発する。そんなんで先週は未だかつて無い忙しさだったので、この出前講義の準備が全然はかどっていなかった。
相手が高校生ということは聞いていたが、どんなノリになるのかよくわからなかったので、板書をしてノートを取らせる講義にはせず、全編にわたってPowerPointでのプレゼンテーションを行うことに。やめときゃいいのに‥‥2コマ分、計3時間にわたる講演会というわけだ。しかも8割方が新ネタ!過去の資産の再利用ができないのはつらい。しかしここでがんばっておけば、本務の授業の方でこのスライドを使うこともあるだろう、という皮算用もあった。
スライド作成は少しずつ進めてきたのだが、前日晩の時点で完成度50%程度。さすがに徹夜は無理、ということで3時間ほど睡眠を取り、特急くろしお車内で最後の追い込みをするも、寝不足で乗り物酔いを起こし、休み休み作る。グリーン車で良かった。新宮駅で降りても喫茶店で作る作る。なんとか間に合った。
なんでこんなに準備にヒマがかかったかというと、新ネタの構想があって、それにそって資料を漁っていたらどんどん面白いネタが出てきて、それをまた調べて、そしたらまた面白いのがあって、‥‥というように「調査」のフェイズが予想外に時間を食ってしまったからなのだった。おかげで大変勉強になった。アレキサンダーの暗帯。環天頂アーク。分け入っても分け入っても青い山。
今回オレが編み出した決め台詞は「地球は水に最適化された惑星」であった。いやホンマに、いろいろ調べたり考えたりしていくと、地球ってホンマに水の惑星なんだなーと思う。
でもね、やっぱ3時間まるまる講演会というのは、体力的にきつい、というのか精神的に消耗する。PowerPointでのプレゼンの一つの大きな要素に、「無駄な間が無い」ということがあるからだ。つまり、PowerPointでプレゼンをするなら、次のスライドが何か、どのタイミングでクリックして次に何を見せ何の単語を発するキメがあるのか、を常に把握しながら話さねばならない。気が抜けないのである。その点、板書やレジメを使うと、テンポ感が根本的に違うので、一息つくことが可能になる。本務の講義のフォーマットを、PowerPointばっかりにするか図だけ見せて板書するのか、思い悩んでいたが、絶対板書する。PowerPointばっかりは、かっこいいけどしんどい。
帰りはオーシャンアロー和歌山市内に戻った。車中では明日の観月会の曲の参考音源をMacBookで聞きながら採譜。やっぱClifford Brownは天才だ。マイルスより遥かに才能を感じる。往路のくろしおよりオーシャンアローのほうが揺れが少ないのでほんの少しは譜面が書きやすかった。これが振り子式というやつの効果か。