地域振興策って、実は‥‥

結局、そこに用事があるかどうか、ってことだろう。
用事も無いのに誰がわざわざ出かけてくるか。観光にしても、観光資源という「商品」に用事があってそれを買いに来る、という「消費者の行動」に他ならない。
「街のイメージアップ」だけを図って美観だけを整えたものの人が居ない、というダメ地域再生の例は枚挙に暇がないようだが、上記のような観点がないからだろうと思う。
職場からは少し離れたところだが、その地域の一番の繁華街のアーケード街は、もう実質的にシャッター通りになっている。夜9時過ぎに訪れたら、アーケードを歩いていたのはオレだけだった。飲食店もあるのに‥‥そんな商店街の多くのシャッターには、「場外舟券売り場設置反対!」というビラのようなポスターが貼り出されていた。イメージアップなど、人が来なければ何の意味も持たないというのに。どうやら自らの置かれている立場が分かっていないらしい。

人気コスプレ大会、県に苦言の電話1本で中止…山梨・ハイジの村

2008年6月6日14時50分 読売新聞
(ソースはhttp://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080606-OYT1T00510.htm
 山梨県北杜市のテーマパーク「県フラワーセンター・ハイジの村」で、「コスプレ大会」が今年度は中止されることになった。
 施設所有者の県が、アニメやゲームの登場人物に仮装した若者が押し寄せる状況に「1本だけだが、苦言の電話があった」と管理者に見直しを求めた。一方、人気イベントだっただけに、復活を望むファンの声も多い。
(中略)
 コスプレ大会は、集客の目玉として昨年4月から計6回開催。センター側で更衣室を用意し、コンテストも企画した。手製の衣装や、色とりどりのカツラで着飾った若い女性を中心に昨年度は延べ約1万9000人が来場した。今年度は6月ごろから5回実施予定だった。

 コスプレ参加者の中には撮影の際、花壇に入って注意されるケースもあった。昨年の夏、県農政部に年配の女性から、「子供からお年寄りまで花を楽しむ施設に、若者が大挙して集まるイベントはいかがなものか」との電話があったのを機に、県は指定管理者に見直しを促した。指定管理者は「好評だっただけに残念」としている。県には復活を望むメールが20通ほど寄せられているという。
(以下略)

これなんかも立場が分かってないお話の最新事例かな。
こういったかんじの思考の流れだったところで、興味深いお話に接した。ありがたくもかしこくも友人として接して頂いている文士・伊作師の某所での日記2008年06月06日分「《後編》チュウボウですよ! 〜 房総旅行完結編」より許可を得て引用する。房総の話である。

さて、鴨川駅にてレンタカーを借り、まず向かったのが鴨川よりほど近いところにある『大山千枚田』。
(写真)
ご覧の通りの、名にし負う見事な棚田。
 トラクターが使えないなどの非効率性もあって高度成長期には存亡の危機にさらされたが、その後見直され、いまや単なる風景遺産としてではなく、保存会を通じて開放もされている実際的農地となっている。
 ともかくもこうまでして米を作ることに執念を燃やしてきた人々の思いというか歴史というか、そんなものがここに来るたびに感じられる。みんな、米食おうぜ。

「いまや単なる風景遺産としてではなく、保存会を通じて開放もされている実際的農地となっている」ことに注目。こういうのって、やっぱり県など何らかの行政機関が介入しないとできないよね?これがもし上手く機能しているのであれば、上述の山梨のダメ話なんかとは違って、非常に興味深い。誰か優秀なブレーンがいるのだろうか?とも邪推したくなるが、まぁそれはともかく、グリーン・ツーリズムのモデルとして、ちょっと調べてみようと思う‥‥いや、グリーン・ツーリズムの研究してる同僚の先生をつついてみたほうが早いかな(笑)