ネクタイ&スーツ着用率

大学というものを「職場」ととらえたとき、そこで働く、特に教員の業務形態や雇用に関するさまざまな状況は、かなり世間一般の常識とは異なる。例えば、普通は人事公募の時点で、勤務時間や年休、給料や保険等々といった労働条件が初めから提示されているものであるが、大学教員の場合、そんな公募は殆ど無い。「ほんとかよ」と思ってしまった人は、研究者公募の総本山サイト「JREC-IN」などをご覧あれ。給料の額が書いてあればまだマシな方である。若手研究者をナメているとしか思えない。
募集からしてそんな案配なもんだから、中の人も世間離れしている。かく言うオレもかなりズレてるなー、とよく思う(反省してます)。そのズレっぷりが目で見える形になってるのが服装である。端的に言えば、タイ・スーツ着用率である。面白いもので、その教員(の所属する部署)と世間様との関わり合いの度合いを如実に反映しているものなのだ。つまり文系学部であれば法学系や経済系、理系であれば薬学・農学/環境系・工学系で、タイ・スーツ着用率が高い。反対(?)に、より理学っぽく、より文学っぽくあるいは哲学っぽくなっていくほど、テキトーになっていく。
学会だと集団になるので傾向がよくわかる。オレの所属する学会でも、例えば日本天文学会だとテキトーな人ばっかりだが(人前で発表するというのにジーパンで登壇する人もけっこう居る!)、日本エアロゾル学会だと企業とのインタラクションが高いのでぴしっとした服装の人が多い。
さて今オレが居る学部は文系で、かなり世間との関係が高いほうである。またスタッフも元々経済学や経営学をやってた人が多い。畢竟、スーツ・タイ着用率の高い、サラリーマン的風貌な人の多いところである。それはだいぶ前からわかっていたので、オレも慣れないスーツで通勤しているわけだが、別に誰に怒られるわけでもないので、シャツは白くないことが多い。今日もグレーである。理由は、単に趣味の問題である。なんかこう、カッコイイ気がするっていう(笑)
だがいつまでスーツ&タイで居られるか。一応、ジャケット&綿パンで、普通のシャツにタイというラフなかんじでしばらく持たせようかとは思うが、真夏にはさすがに無理することもない。誰も喜ばないし、そんなことに意味を見出す職場でもないことは前述の通りだ。本当は、まだ一応、教員としては若いうちなので、学生と同じような格好が痛々しくない程度である限りは、スーツやタイで「センセイでござーい」って威張った格好をするよりも、事務のおばちゃんに「学生かと思った」って間違われるような先生にむしろなりたいのだが。