ウェブ進化論(梅田望夫)


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ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

  • 作者: 梅田望夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 定価: 777
  • Amazon 価格: 777 円(2008年01月06日 13時06分 時点)
  • 発売日: 2006/02/07
  • メディア: 新書
  • ISBN: 9784480062857



2006年のヒット作である。が、初めの数ページを読んだ時点で、正直、「この著者アタマ悪いな」と思った。
Amazonの商品ページにあるkenji7氏のレビューが的を射ている。曰く、「この本を読むと、著者のITに対する感想文と仕事や経歴に関する自慢がほとんどで‥‥」「ITの専門用語についても最初に説明は無く、後の文章で説明するからと読者を我慢させ、説明が始まったと思うと新たな専門用語で数行で説明が終わり、あとは著者の感想と自慢と経歴がひたすら書かれる」その通りだと思う。
多忙なのはわかるが、いくらでも推敲ができるはずの書籍ですらこんな説明しかできないのに、よく「経営コンサルタントとして講演」できるよなぁ、と思った。本書内のそこかしこに「ネット以前のお偉方のオッサンたちには、これからのネット/ITの話をしてもわかってもらえない」と嘆く節があるのだが、単にこの人の説明が悪いだけだと容易に想像される。ほぼ一日中ネット漬けのような毎日を過ごすオレですら、「独りよがり」を地で行く本文の解読には骨が折れた。
だが、この方面のメッカであり最前線であるシリコンバレーで長年培われたのであろう見識や、説かれている内容、潮流についての物の見方etc.については、本当に、一読の、いや数読の価値はある。IT業界で誰もが言ってることかもしれないが、コンパクトにまとまっているし、何も知らない人や、こういうことをまとまって考えたことのない人にとっては、本当に難読で独善的だが、今読まなくてはいけない本であることは間違いないと思う。