今年の目標・Take One (カード当て)

いったい、オレはいくつ『テイク・ワン』‥‥1枚カードを引いてもらってそれを当てる‥‥を演じてきたのだろう。
そしていったい、オレはいくつ『テイク・ワン』をレパートリーにできただろう。
結局、オレはひとつでも『テイク・ワン』で観る人を喜ばせることができたのだろうか?

『テイク・ワン』は、それこそ1000は当然として3000以上は発表されているだろう(5000は微妙だが10000は無いだろうと思う)。文献として発表されていないものも含めればもちろんその数は優に10000を超えるだろう。それだけの下地があるのだから、誰だって一つぐらいは『個性に合う』作品があるはずであるし、トランプで手品やるのを一度でも好きだと思ったことがあるなら一つぐらいは自分なりの「作品」を作ったことだってあるだろう。

で、とにかく、いろいろな作品を覚えて何度も練習して実演して練習して実演して(中略)というのは大切なことだと思う。これは手品に関わらず、芸事ならば何でもそうだと思う。楽器で言えばいろんな曲を覚え、聴き、練習し、コンサートやライブで演奏するといったことに近いだろうし、実際そのようにしてサックスの腕を磨いた。

そうやっているうちに、気付くこと。それは、「普通のことを普通にやる」というのが実はとても大切だということ。もちろん手品にしても楽器にしても何度もそういうことを感じてきた。 楽器なら超絶技巧もいいけれど、アドリブソロもいいけれど、単にメロディを「きちんと演奏する」ことが、それ単独で大切なだけでなく、超絶技巧やアドリブソロの質の向上のため、要するに全体のレベルアップのために重要だということだ。手品で言えば、クラシックパスとかマッスルパスとかに凝るのもいいけれど、普通のカード当てで喜んでもらえないようじゃダメだろうと。

そこで今年の手品人としての目標としては、

きちんと演じられる『テイク・ワン』を2つモノにする

こととしたい。1つでいいじゃん、っていうツッコミは無しね。

ま、今まで演じてきた演目を捨てるつもりもないし、そもそも最近はコイン系が楽しいとかいうこともあるんだけども、そのへんはマニアじゃなくて単なる「手品好き」の中途半端なところということで。