『演らない美学』と『高級一発芸』パート2

昨日の続き。

『やらないで欲しい』と思われるようになってしまった可哀想な『マジック』。一体、どうしたら汚名返上できるのだろう。
宴会でのマジック‥‥これはものすごく難しいシチュエーションである、ということをマジシャンが認識していなかったのではなかろうか。そしてもっと重要なことは、実際のところ、オレの経験では、宴会よりも(マジシャンにとって)楽なシチュエーションなど、結婚披露宴ぐらいしか思いつかない。このように、マジックを披露する場とは、本当に限られている。あ、行ったことないから知らんけど、キャバクラとかだったら楽なのかなーとか思ってみたりもする。

10人を超える宴会でマジックを見せるのは避けたほうが良い。当たり前だが、マジックが嫌いな人も居るのだ。そして、10人規模になってくると、さほど親しくない人、とまでは言わなくても、まぁ、いろんな人が混じってくるわけで、そうなると、マジック嫌いな人も入っているだろう。マジシャンは気付きにくいことだが、マジック嫌いな人というのは、決して少なくない。3人に1人ぐらいは居るものだと思ったほうがいいと思う。3人に2人、ではないと思いたいが。で、まず何かを演じたときに、2人以上『面白くねーなー』という顏をしてる人が居たら、すぐさま止めたほうが良いと思っている。1人ならまだいけるかもしれないが、深追いは絶対にダメだ。ルーティーンの途中でも、オチだけやって終わろう。そして、少なくとも過半数には、ひきつらない程度の愛想笑いをしてもらえる程度のレベルのモノをお見せできないのなら、マジックの『マ』の字も口にしてはいけない。マジックの腕だけでもそうなのだから、楽しく見て頂くためのスキルが無いのなら、言うまでもない。

それももちろん、『何か見せろ』と声を掛けられたときだけだ。

これは『マジックをする自分』をさほど知らない人の集まりの場合である。知ってくれている人々の集まりの場合、ありがたいことに、イヤな顏ひとつせずに見てくれることが多い。そういう場合がある意味、一番責任重大である。つまり親しい仲だから、イヤだったとしても、とりあえず、見てくれるのである。だから、『おっ、結構面白いやん』と思ってもらえなければダメなのである。

ああまだ言いたいことがまとまらん。中途半端だけども、続きはまた今度書くことにしよう。