コインマジックの、二番目に難しいところ

『一番難しいところ』は、以前書いた(http://d.hatena.ne.jp/DrMagicMusic940/20050405#p1)ので、今日は2番目に難しいところを書いてみたい。
コインマジックのルーティーンを解説した書籍やビデオを見ながら練習したことがある人なら分かってくれると思うのだが、コインマジックのルーティーンは、ほぼ例外無く覚えにくいのである。

これには2つ理由があると思う。

まず、『コインマジックは人前で見せるまでに時間がかかる』と言われるが、これは、シークレットムーブを含めた、ハンドリングの全てに熟練が必要であるためである。言い換えると、全ての動作について、『微妙なニュアンス』を表現できなければならないので、非常に繊細かつ慎重なハンドリングを要求されるということである。だから、解説が『わかりにくい』のである。

もう一つの理由は、例えば普通のカードマジックのように、コインを52枚使ったりすることがないためである。今、『普通の』という修飾語を敢えて付けた理由をお考え頂ければ、言いたいことが分かって頂けるのではないかと思うが、要するに、コインルーティーンの手順の煩雑さは、カードで言うパケットトリックの煩雑さに似ているのだ。‥‥と思う。レギュラーコイン4枚で演じるコインルーティーンは、カードにたとえると4枚のジョーカーで演じるパケットトリックに相当する。これで不思議なことを起こそうと思えば、複雑になるのも当たり前だ。コインルーティーンの手順が覚えにくいのは、パケットトリックと同様の理由だと思う。