“元祖”ロングテール 東急ハンズの秘密(和田けんじ)

“元祖”ロングテール 東急ハンズの秘密 (NB Online books)

  • 和田 けんじ (著)
  • 単行本(ソフトカバー): 224ページ
  • 出版社: 日経BP社 (2009/2/19)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4822247252
  • ISBN-13: 978-4822247256
  • 発売日: 2009/2/19
  • 価格: ¥1,470
  • おすすめ度:★☆☆☆☆


ロングテール」の考え方は、要は、限りなく小さいニーズを限りなく多く集めればSomethingになる、ということだ。それは「限りなく多く集める」ことにコストがかからないネット上の世界でこそ花開くものである、と考えるのが普通である。

しかし、これをリアル世界でやってのけたのが東急ハンズである、と考えることができる。そのヒミツは何か?‥‥を、もともとハンズの社員だった著者が解明しようというのが本書である。

店および店員の特色については、我々ユーザーが知っている通り、マニアックな知識を持った店員とマニアックな品揃えである。で、それを管理するための要点は、タコに耳ができるほど聞くいわゆる「顧客中心主義」をやりましょう、ということだ。店員が接客を通じて感じたニーズを「全部」用意しましょう、「できません」とは言わないぞ、と。接客を通じて得られた感覚を元に在庫管理すれば適正量をキープできる、と。いやそれが難しいからみんなやらないんだよwwwそこを掘り下げなきゃwww

‥‥という、至極残念な本である。個々のエピソードは確かに象徴的で、いろいろと参考になるというか、他の一般的な「経営」について考えるときに引いてくる適切な事例になりそうな小話が多かった。しかし正直に言うと、本書は同じことを何度も繰り返しているだけなので、内容的には薄手の文庫本程度、2時間もかからずに読めるものに圧縮できるはず。読後に得られた有益な情報よりも、読むのに使った時間の損失のほうが大きかったような気がするので、★2つとした。