今この車内で「今朝いいことあった人」の割合は?

昨日、電車の車内広告でこんな感じの内容のものを見かけた。

  1. サラリーマンの25%が「朝、通勤電車で一目惚れ」したことがある。
  2. だから今この車内の4人に1人は、「朝からいいことあった」人たちだ。

一目見て、すごく違和感を感じた。何が違和感の元なのか、しばらく考えた。たぶん、それは、「そのアンケートを取るまでに積み重ねてきた乗車経験の歴史」について考えた「全サラリーマン」の中の25%の話を根拠に、「今この電車に乗っているサラリーマン」の中の25%が「朝から=今朝」いいことがあった、と見なしている、その「対象集団の違い」と「時間的な違い」が両方ともずれている点にあると思われた。
で、しばらく考えた。
「対象集団の違い」は、まぁ、「いつも乗ってる人」の分布の偏りというのを無視して「乗っている人はよくシャッフルされている」と考えることは(モデルとしては)さほど無理は無いと思う。従って、「今この車内にいるサラリーマン」は、「全サラリーマンから無作為に選んだ」と言っていい。
とすると、「今この車内にいるサラリーマン」のうち25%程度は、「これまでの乗車の歴史」の中のどこかで「朝にいいことあった」人だと思われる。
ここで一つ仮定をおく。先のアンケート結果が多数のサラリーマンの長い日々の積算の結果であるなら、この電車に乗っているサラリーマンたちの中で昨日の朝以前にどこかの朝にいいことあった人も25%程度いる、と仮定する。
そうすると、昨日までにこの電車に乗ってきた全車内サラリーマンの累積人数x人のうち、y人が同じく昨日までの累積の中でそういう経験があるとして、
y/x = 0.25
と書ける。つまり、
y = 0.25 x ‥‥(1)
である。とすると、今日の乗車サラリーマンの人数はxの増分dx、今朝いい思いをしたサラリーマンはyの増分dyと表せるので、今日どうなっていますか、という割合は
dy / dx
という微分係数で表せることになるわけだ。これは上の式(1)から簡単に求められて、0.25、つまり25%となる。
従って、「この車内のサラリーマンの4人に1人は、今朝いいことあった」という言明は正しい。

‥‥ような気がする。

証明にもあんまり自信はないが、それより「ごちゃごちゃ言ってるけど、これって当たり前では?」と言われて反論できる自信もない。