ある一つの将来像

欧米化が進み、『オレもオレも』だった日本文化が『オレがオレが』になってきているというのは、研究業界でも例外ではない。そして『オレがオレが』であるからこそ、その人物を中心にして、おカネも湧いてきて、後進も育ち、‥‥というのも、確かにある意味で真理であろうと思う。

だが、そうでないのもあると思うのだ。いや、思いたいのだ。

オレのささやかな願い。それは、オレが『第一線』の研究が出来なかったとしても、フロンティアな能力がオレ自身には無かったとしても、オレの教え子とか弟子とか影響のあった人々が、『第一線』の研究を成し遂げてくれることだ。そういう学生を育ててみたい。オレ自身は別に脚光を浴びるつもりはない。っていうか浴びたくないんだ。誰か、オレの何かに共感してくれる人物が、オレの何かのコトバなり何なりを踏まえて、世界に何かを供するような、そんな人物を育ててみたいのだ。