本当に問題な日本語

非常勤講師をしている講座で、学生に課していたレポートが集まった。読んでみた。

昨今、『問題な日本語』が取り沙汰されることが多い。かく言う私もかなり変な日本語を操りここに記し続けているのだが、その昨今の流れでは、問題とされるポイントは大抵の場合、『単語そのもの』『単語の誤用』『慣用句の誤用』『変な敬語』に焦点が当てられているように思う。

しかるにこの学生達のレポートを見られよ。

日本の最高学府の一つとも呼ばれるこの大学。いわば最高難度の入学試験を突破して来た連中の書く日本語のひどさといったら、もう涙なしには読めない。上に挙げたような『よく挙げられるポイント』など、全く些末事である。文章そのものの構成力が欠如しているのだ。『語』が変なのではなく、『文』がおかしい、あるいはもっと言えば『文章』の背後にあるはずの『論理』がムチャクチャなのだ。いや『論理』どころか『文章の筋(すじ)』が無いのだ。仮にも理系科目のレポートであるのに、論理的な文章になっていない。もちろん『です/ます』と『だ/である』がメチャメチャだったりするのだが、そういう問題ではないのである。まるで小学生の文集を読んでいるかのようだ。これが日本の最高学府にやってきた間もなく成人になろうかという連中の書く日本語なのか。信じられない。