『100万分の1の偶然(Million to One Chance)』 By John Hamman

昨日書いた、先日の新宿プチオフでしのぶさんに見せていただいた『マグネティック・カラー』。『カードマジック事典』を見ながら、自分なりの演じかたを考えていた。しかししっくりこない。
この現象は、『事典』内では『偶然の一致』現象としてまとめられるジャンルに属しており、マリック師がカードを演じる際によくやる『マッチング・ペアーズ』もこれに属すると言えるだろう。この『ペアで出現』の系統のマジック、そういえばオレのレパートリーになかったなぁ、ということを、しのぶさんの『マグネティック・カラー』を見て思うようになった。
どうにも『マグネティック・カラー』がしっくりこないので、そんなわけで、他の『偶然の一致』のものをつらつらと眺めていて、この『100万分の1の偶然(Million to One Chance)』を発見。「そういえば、森羅万象ドットコム | マジックや手品だったり奇術だったりさんでやってた『カードマジック事典で10コ選ぶならコレよ』アンケートで上位になってたよなぁ‥‥確か『手順は怪しいけど驚かれます』とか何とかコメントが付いてたよなぁ」と思い出し、ちょっとマジメに練習してみる。
ほほぅ。これは不思議。
現象も不思議だが、原理が分かってても、やっていて不思議だ。というか、『手品らしい手品』と言えばいいかな。
ちょこちょこっとハンドリングをシークレットムーブ化してやれば、オリジナルの『ハンドリングの怪しさ』は解消できそうだ。しかし問題は、演技に入る前の段階だ。目の前でパケットをセットするのだが、これ、結構めんどくさいのだ。もちろん、予めセットしておいて始めれば良いと言えばそれまでだが、仕込みなしバージョンの演技も考えておきたいところでもある。本編のハンドリングは何とでもなるが、このパケットのセットの部分を、何とかダレずに済ませたいものだ。
もう一つ。この奇術を、どういう奇術と位置付けるか、である。要するにペアが出てくるわけだが、これを、『お客さんがヤマカンで並べたらうまくペアになった』→『お客さん、いいカンしてるねー♪』という『客のせいにする路線』にするか、タイトル通りに『ありえない偶然現象』として見せるか。前者も、コミュニケーションが命であるクロースアップマジック魂からすれば捨てがたいが、うまくやらないと、かえってイヤミになってしまう可能性が高い。後者の場合には、その『ありえなさ』をどう表現するか、うまくもっていかないと感激が薄くなり『ふーん』で終わってしまう。
『ハンドリング』と『現象の呈示方法』をうまくクリアできれば、立派なレパートリーになりそうだ。