新聞取材を受けた

火星と海と生命と。
火星の古環境で、果たして生命発生の可能性はあるだろうか。結局、話したことの中で一番大きかったポイントは、『生命』をどのように定義するか、ということだ。いくつかポイントというか条件があると思うが、その中に、『代謝』を含めるかどうか、ということが、この火星生命の可能性に関わって来る。
つまり、液体のH2Oの海があったことが何のアドバンテージになるか、という点に着目すると、生命体内部での代謝すなわち反応物質の物質輸送には、液体を媒介しないと恐らく無理であるから、液体が安定に存在できる環境だったであろう火星古環境では生命体の代謝による『生命の維持』が可能だったであろう、ということが言える、ということだ。
もう一つは、液体中では、物質の濃集がしやすいということ。空気中で『生命体のもと』が十分に反応する機会を得るための濃度を保つのは、液体中よりもはるかに難しい。液体中、すなわちこの場合、海が生命発生反応のための『ゆりかご』として適しているであろう、ということである。