夕焼け実験、第一部完結

「火星の夕焼けは本当に青いのか?」と題する学生実験を続けてきたが、今日の「成果発表会」にて一応の完結である。レンガを砕き、1.2ミクロンまで瀘過して粒径を揃え、それを水中に分散させて透過光をスペクトル解析する、というものだ。
水中で行うため粒子の媒質に対する相対屈折率が変わる。従ってミー散乱の波長依存性が変わる。と言うか、結果から言えば散乱される波長帯が変わって来る。つまり、粒子を水中でやる限り、「青い夕焼け」は作れないのだが、そのスペクトルを見て、「もしこれが空気だったらどうなるだろう?」と検証してみよう、というものだった。

作成した「火星ダストモデル」は、水に対するミー散乱で予想される減光の極値を再現できていた。そして理論値によれば、そのまま相手が空気だったら、青い夕焼けができるはずである、ということは言えた。

問題は、それをどうやって空気中にバラまくか、ということである。それから、むしろレンガは焼いているので火星ダストからは遠いのではないか、という指摘が打上げであった。(レンガは長石系だから云々、と言ってたような気がする。)